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猫に看取られる 緩和ケア医 [今日の日経記事から]

以前、聖ヨハネ会桜町病院のホスピスでは、個室であれば、ペットの同室はOKであることをお伝えした。患者さんのベッドサイドでかしこまっている犬や、ベッド上の枕元や足元に蹲(うずくま)り、患者さんを心配そうに見つめている猫の姿を見ると、たまらなく愛(いと)しくなってくる。そして、彼らは、紛れもなく患者さんにとっては家族なのだと思えるのである。


10年ほど前であろうか、ある男性終末期肺がん患者さんを在宅で診療していた。その方は、何故か、我々を自室に招き入れることは決してしなかった。診察は、かならず、別室であった。病状が悪化し、衰弱が進んでも家族に支えられながら、自室から別室に移動しての診察を希望した。


ある日の朝、ご家族から、彼の部屋を覗(のぞ)いてみたら、呼吸が止まっているようだ、との報告があり、往診した。初めて彼の部屋に入ることが出来た。部屋に入ると一匹の猫が彼の側におり、疑い深い目で私を見つめた。その猫に「大丈夫だよ」と声をかけながら、彼を診察した。そして、心肺停止の確認、および瞳孔の散大と、対光反射の消失を確認した。臨終である。


彼の変化は、静かでご家族も気づかない程だったのだ。眠るがごとくの旅立ちであったともいえる。彼の最期の呼吸音を聞いたのは、私の入室後も彼の側を離れず、診察中の私を、ご主人に何をするのかと、瞬きもせず、大きな目でじっと見つめていた彼の愛猫だったことになる。ご家族と、その猫に「ご臨終です」と伝えながら、こういう人生の最期も悪くはないな、と思ったのである。

【所感】
 記事の結びに逆らうことになるが、私は残された猫のその後を思うと不憫でならない。
 猫を残して死ぬことは、猫にとっての不幸ではないか。

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LargeKzOh

同じ記事を読み、同じ想いを致しました。
何よりも人の心をケアすべきお仕事の筈ですが、ニャンに迄は至らなかった様です。
同じ命なのに・・・ましてや生物多様性時代を迎えているのに・・・
by LargeKzOh (2019-04-14 11:00) 

mistta

> LargeKzOhさん
nice&コメント有難うございます。
主人想いの猫の描写に胸を打たれました。
記事に書かれていないだけで猫が保護されていることを祈る
ばかりです。
by mistta (2019-04-14 20:32) 

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